労働条件

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労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならず、労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければなりません。個別的労働関係において、労働者は使用者よりも交渉力において弱い立場いにあるので、契約自由の原則を制限し、不利な労働条件のもとで契約を締結させられることのないよう、労働条件を定めるにあたっては、労働者の生活を保障するに足りる水準である必要があるとされます。一方で法で保障される労働条件は、あくまでも最低水準のものにとどまり、これを超える労働条件を使用者に求める場合は、団体交渉などに委ねられることとなります。労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものであり、 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければなりません。

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示する必要があります。 明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができ、この場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければなりません(労基15)。

労働契約の締結に際して明示しなければならない労働条件は、次のとおりです。ただし、6から13までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合は除外されます。また1から4に掲げる事項については、書面の交付により明示しなければなりません。

  1. 労働契約の期間に関する事項
  2. 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
  3. 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  4. 賃金(退職手当及び7に規定する賃金を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  5. 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
  6. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
  7. 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
  8. 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
  9. 安全及び衛生に関する事項
  10. 職業訓練に関する事項
  11. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
  12. 表彰及び制裁に関する事項
  13. 休職に関する事項

 

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